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私の最初の感想は
「これで切られたら痛くない!」でした。
右手に持って左腕をスーッと切っても
痛くないだろうと感じたのです。
どうしてこの違いが出るのかは解りませんが、
道具としての「品格」は
特別なものだという感じがしました。
「私も1本欲しいなー」と私が言うと
「どんなのがいいですか?」と鈴木さん。
実は、と話したのが
「私は小学2年生の時から
「肥後乃守(ヒゴノカミ」と言う小刀を
持っていました。
当時は、みんな持っていたと思います。
毎日履く草鞋(わらじ)つくり、鉛筆削り、
竹とんぼなどの竹細工、木で遊ぶ道具、
将棋の駒なども作りました。
だから、ほとんど毎日砥石で研いでいました。
ただ、その時使っていた肥後乃守の小刀は
無くしてしまったので、
またいつか欲しいとずっと思っていたんです」
鈴木鍛冶師は「どんなことに使います?」と
聞きます。
「先ず野菜、くだもの、木も竹も削るなー、
とにかく刃物を身に着けていたい」
「わかりました」と言ってくれ
作ってくれることになったのですが、
実際に届いたのはなんと3年後でした。
それがこれです(以下写真)。
刃渡り12センチの片刃。握りはビワの木で藤蔓(ふじづる)仕上げ。
最近はぬか漬け野菜を毎日切っていますが、
スーッ、スーッと切れて、キュウリもナスも
痛がっていないと感じます。
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